相続対策として賃貸マンション建築
もし、竣工までの間に父親が意思判断能力を喪失してしまったら、最終的にマンションが完成した際の建物の引き渡しや建物の登記、あるいは金融機関からの融資に支障が出る可能性があります。つまり、建築中あるいは竣工後の手続きが中断しかねません。
これを解決する方法としては「成年後見制度」がありますが、それを利用しますと、その不動産のその後の管理運営、賃貸借契約、管理契約等の各種契約に多大な労力・精神的負担といった影響が出ます。
家族信託を利用すると・・・
今回のケースでは相続人の1人に孫がいます。この孫を受託者として設定して、土地については委託者を父親(孫からしたら祖父)、受益者も父親という建付けにします。そして、建築の請負契約も受託者として孫が契約します。さらに、借入金の申し込みも受託者として孫が行います。
最終的に2年ほど経ってマンションが完成するまでに、仮に父親が意思判断能力を喪失したとしても、新築のマンションは信託財産として受益者の名義で登記をし、受託者が金融機関との手続きを遂行します。しかし、受益者は父親なので、その不動産からの家賃収入、借入金の返済などはすべて受益者である父親が負担することになります。つまり、孫である受託者が契約の遂行、及びその後の物件の管理を自らの権限で行えるということなのです。
ただし、この信託を組む場合には、事前に建築を担う建設会社やハウスメーカー、及び借入先の金融機関と十分な打合せが必要です。
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